タクシーの勤務日と休日
2日に1度は必ず家にいられる時間が出来て、今まで残業続きで「子供の寝顔しか見られなかった」という方が、「子供と遊ぶ時間が出来てこの仕事を選んで本当に良かった」という話を、タクシー業界にいると聞くことがあります。休みが取れないブラックなイメージがつきまとうタクシーの勤務ですが、どのような勤務形態と休日になっているのでしょうか?
隔日勤務
隔日勤務とは、1日に2日分勤務して、2日目は休みになる勤務形態です。業界では1/2日目を「出番:デバン(デ)」あるいは「乗り:ノリ」、2/2日目を「明け:アケ」と表現します。隔勤(カクキン)がタクシーの働き方の基本です。
出番
勤務日は、たとえば午前8時に勤務が始まったとすると、拘束時間の最大は21時間後、翌朝5時に仕事が終わります。21時間には、15.5時間の通常勤務と3時間の休憩、プラス2.5時間の残業が含まれます。残業部分を働くか否かは本人判断となりますが、反対に2.5時間を超えての残業は絶対に許されません。また休憩の3時間も必ず車を止めて休まなくてはなりません。タクシードライバーは、サービス残業とは無縁の仕事です。
明け
勤務が終わった日が明けで、次の勤務までは24時間プラス前日の残りの3時間で、27時間の休みとなります。2日分の睡眠に15時間を充てるとしても、残りの12時間が完全フリータイムです。
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1日目 出勤日 「出:デ」
労働時間は15.5時間プラス3時間の休憩で18.5時間。残業しても2.5時間が上限なので最大21時間で勤務は終了。
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2日目 勤務終了日 「明け:アケ」
勤務が終わると「明け」と呼ばれる27時間拘束されない休み。
2日分の睡眠に15時間を充てたとしても、残りの12時間は完全フリータイム。 -
5日目 公休日 「明け公:アケコウ」
3~4日目と2回目の勤務が終わると、翌5日目は完全な休みである。明けと合わせて51時間の非拘束時間なので2連休です。
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有給休暇を組み合わせると ···
6・7日目の出勤に有給を充てると、4連休。大型連休もしっかりととれる。
公休日
私たちの会社では、2回勤務すると完全な休みの公休日1日入ります。明けの27時間プラス24時間の51時間ですから、2連休と同じです。この5日を1サイクルとして繰り返すので休みの計画は立てやすく、また規定以上の出勤や残業は安全運転に支障をきたすため、出来なくなっています。
様々な両立が可能
このようにプライベートな時間が確保できるのが隔日勤務の働き方です。休日を趣味や勉強に充てる方のほか、音楽活動や制作活動と両立させるアーティストの方がこの仕事を選んで在籍しています。
東京オリンピック・パラリンピックを控え、競技活動を継続しながら働くことも可能なので、体育会系の方も大歓迎です。定時制勤務で出勤日数を減らせば1ヶ月の大半を競技にあて、少しだけ働いて資金を稼ぐことも可能です。
昼日勤 / 夜日勤
タクシー勤務の原則は隔日勤務ですが、昼だけの「昼日勤」、夜だけの「夜日勤(ナイト)」という働き方があり、勤務時間は隔勤の丁度半分になります。1台のタクシーを2人で昼夜運行するので、人数バランスが整わないと成立しません。
日中のタクシー利用は、通勤・通学、ビジネス、通院などが中心なのに対し、夜間は終電後の帰宅手段など長距離利用が増えるので、売上の比率は夜が高くなります。ガッチリ稼ぐなら夜勤の選択ですが、完全に昼夜反転した生活であり、反対に昼勤は普通の会社員と似た勤務時間ですが、売り上げを伸ばすのは少し難しくなります。