宮園身障二種免協会

メカニックから観た身障タクシードライバー用特装車両

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特殊車両の完成によせて(特殊車両出発式 1978/3/18 於:宝仙寺)

身障者用特殊車両の完成に寄せて

岩田 信和  本郷通営業所工場長

<社報みやぞの NO.163 1978/4/25発行 より>

別項のように3月18日、中野宝仙寺において身障者用の特殊車両の完成を機会に、身障乗務員全員と社長専務をはじめ関係者が集まって、交通安全の祈願を行いました。

思えば当社が初めてタクシー乗務員として身障者を採用し、専用の特殊車両を配置してから早くも3年の歳月が経過しました。

最初の乗務員として白井仁志さんが入社したのが昭和53年3月10日会社ではMS600の中古車を改造して、営業の用に供してきたわけですが、それ以来引き続き身障者のみなさんが入社し、6台の改造特殊車両で稼働してまいりました。

その間、裏方をつとめる整備工場としては、人知れぬ陰の苦労がたくさんありました。まず最初にタクシーはすべて初体験の乗務員のみなさんに対する接触態度、また車両の故障などで他の代車を使用するわけにはいかず、他に優先して出来るだけ早く確実に整備補充して再出庫させなければならない。

整備工場としては当然の職務ではあるけれど、当業界として初めて迎え入れた身障者乗務員に、毎日安心して仕事をしてもらうという社会的使命を考えると、私たちとしてはひと時といえども気を抜くことはできません。それだけに相当の精神的負担にもなりました。

しかしながら、私たちのその陰の努力、他の乗務員のみなさんの理解ある協力、そして当の身障乗務員のみなさんの熱意が実って、今日まで大過なく3年の歴史を創ることができました。

いままでは中古車を特殊車両に改造して使用してまいりましたが、51年排ガス規制値をパスする車両がなく、代替期を控えて別項のように当社ではトヨタ社に特殊仕様車の製造提供を陳情したところ、さいわいにもご理解を得、同社の英断によって51年排ガス規制適合車C、MS100型、パワーステアリング・オートマチック仕様の新車5台の完成をみるにいたり、3月9日受領することができました。

この日は偶然にも最初白井さんが当社に入社してから、数えて3年目に当たり、その日に代替登録ができたということはなにか因縁めくものを感じますが、今後共私たち整備工場スタッフ一同、関係者のみなさま方のご理解のもとに不断の努力を続けていく決意ですので、変わらぬご指導ご協力をお願いいたします。





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