宮園身障二種免協会

全乗連NOW 平成13年1月号 Clip-Board”より

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障害のある乗務員が自主的な勉強会を開催

小冊子「介護タクシーの実践と研究」をとりまとめる

<全乗連 Now 第358号 Jan.2001発行 より>

Clip-Bord

クリップボードのイラスト

二種免許取得の道が障害者に開かれた昭和50年に、免許を取得した障害者をタクシー乗務員に採用して以来、多数の障害者を雇用している宮園自動車㈱(東京都中野区)には、「第二の障害者を作ってはいけない」との信念で、昭和51年に障害のある乗務員たちが設立した身体障害者運転二種免許取得者安全協会(その後「身障二種免協会」と改称)があります。

身障二種免協会は現在約30名が会員となり、1月の安全祈願祭、3月の総会、6月の親睦を兼ねた研修旅行、10月の秋季勉強会等の自主的な活動を行っています。昨年度は同協会の結成25周年として、これまでの活動をまとめた記念誌を発刊していますが、今年度は、現在4代目会長の竹村哲明氏を中心に、21世紀に向けた活動を企画しようと考えて、会員向けの手話講座や車椅子操作講習を開く等、全ての人に優しい公共交通としてのタクシーのあり方について勉強会を開催しました。更に、こうした実践を踏まえて、(財)日本社会福祉弘済会(社会福祉施設従事者等の研修活動に助成を行う昭和58年設立の厚生省の許可法人)から助成金を受け、「私達に出来る介護タクシーの実践と研究」と題する冊子をまとめました。

冊子化について、広報担当の杉浦義弘副会長は「障害の状態によっては健常乗務員と同じように出来ない場合があり得るが、弱者の側の気持ちに立てる強みもあり、今後の福祉タクシーの担い手としても積極的に関わろうという気概を表したかった。」と解説されています。

宮園身障二種免協会の私達に出来る介護タクシーの実践と研究(表紙)の写真

また、冊子においては、

――バリアフリーの移動手段としてのタクシーのフットワークの良さが期待されています。自由に移動できること、それは生活に潤いを与える大切な要素です。どのような場合でも全ての人に優しく対応できるタクシードライバーでありたいものです。――
として、障害者や高齢者等の援助の心構えや具体的な援助のポイントともに、簡単な手話や車椅子の基本操作が図示されています。

冊子は160部作成され、会員だけでなく希望者や地域の社会福祉協議会にも配布して会社のイメージアップに貢献し、身障二種免協会の活動は、障害者雇用がもたらしたプラス効果の一例といえます。

「研修旅行バス車内でのバリアフリービデオ研修」「バリアフリー講習会」「手話講習会」の写真
<<参 考>>

障害者は経済社会を構成する一員として能力を発揮し、職業人として自立するよう自ら努力するとともに、事業主にも社会連帯の理念に基づいて、障害者を正当に評価し、雇用の場を提供するよう努めることが求められています。(「障害者の雇用の促進等に関する法律)」。このため、障害者を多数雇用したり、重度の障害者の雇用を図るための施設整備を行う事業主に助成金が支給され、その財源として障害者基準雇用率に満たない事業主から障害者雇用納付金を徴収しています。

平成10年7月からは、知的障害者が障害者基準雇用率の対象となり、同雇用率も1.8%に引き上げられています。


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