最新UDタクシーの見分け方(ピンクのUDタクシー認定マーク)

JPN-TAXI
一辺15cmの規格は変らず、新旧UDステッカー

正式にユニバーサルデザインタクシー(UDタクシー)を名乗れるのは、国土交通省の「標準仕様ユニバーサルデザインタクシーの認定要件」を満たした車両です。
認定基準に「耐荷重200kg以上のスロープを備え・・・」とあるので、トヨタ(JPN TAXI)も日産(NV200/セレナ)も、200kg対応のスロープを搭載してきました。

ところが、200kgでは電動車いすの乗車を考えると役不足となる場合があり、車いす本体が100kg + 車いすユーザー60kg + 介助者60kgあると20kgオーバーしてしまいます。
オーバー加重でも1割程度であればいきなり壊れることはないでしょうが、やはり不安であると同時に「口実にして乗車を断る」タクシーがあったのも事実でしょう、そこで「300kg対応可能なスロープ」の要望が強まり標準仕様とされました。

そしてピンクのUDタクシーマークの登場です

タクシーが「基準を超えて危険だ」と大義名分に乗車拒否すれば、電動車いすユーザーは「自分たちの車いすでも基準を満たすスロープでなくてはダメ」という主張があって当然のこと、これからは旧基準ではUDタクシー認定を受けられなくなりました。
車外から新基準対応車が一目で分かるようにステッカーの色がピンクに変わり、下部には[UDTAXI2020](’20登録ではなく、2020規格の意味)と入りました。
見慣れていないので「なんか変わったタクシー?」ととまどいますが、運行開始後数ヶ月の新車なので、選んで乗るのも良いかもしれませんね。
なお、重さに耐えるサスペンションや床が強化された形跡はなく、スロープ意外に変更点はないと思われます。

ところで、お互いが主張し合っての結果が新たな基準となりましたが、300kgを越える場合はどうするのでしょう?
ピンクのUDタクシーで乗車可能になった方も、自分は乗れるから良いという問題ではないのではないでしょうか。
何が言いたいかといえば、ユニバーサルという言葉が示す「全ての・・・」は理想であって、全員ではないということ、ある人にとっては都合がいいバリアフリーが別の人にとって不都合となることがあります。
車いすユーザーにとって歩道の段差は無い方が良いが、白杖を使う視覚障害は段差がないと境目が分からない、結局は段差を2cmとすることで解決点を見つけたと聞いていますが、UDタクシーだってハード面からはどこまで行っても「完璧」にはならず、工夫して対応するしかないのです。

UDタクシーを始めとするユニバーサルやバリアフリー、あるいはノーマライゼーションの分野は「心のバリアフリー」がないと成立しません。
現在も残る車いす乗車拒否問題は、いがみ合っては解決を遅らせ、間違った方向に進む可能性が高いのではないでしょうか。

それは、もう一つ大きな問題となって表れています

障害者差別解消法では「障害を理由に乗車を断るなど差別するな!」と明示していますが、例の大型車いすの「横乗り無固定、シートベルトなし」での乗車を認めた件です。
道路運送車両法における「車いすは自動車の正座席に該当しない」ことをだけに焦点を当てて、「横乗り無固定・シートベルトなし」を正当としています。
乗車の可否判断ではそれが正論かつ結論でしょうが、安全面からは車いすユーザーに同等のサービスが提供されず差別していることになりませんか?

アクティブセーフティ・パッシブセーフティと、今の自動車は様々な視点で乗車人員の安全が最重要視されているし、道路交通法に「後席を含む全席シートベルト着用」が義務付けているのに、車いす乗車であることを理由に除外してしまう判断は、言葉は悪いですが荷物と同等の扱いともいえる差別じゃないの?
現行法に照らしてどうこうではなく、ここでも「心のバリアフリー」があれば違った判断になったのかな? と残念でなりません。

感情が先行して「乗せない!」「乗せろ!」とならないように、ソフト面のバリアが取り除かれ、健常者にも障がい者にも、そして車いすユーザーにも、可能な限り同じレベルの安全が提供されることが願いです。

時代の移り変わりで法が噛み合わなくなるのは当然、新しくUDタクシーが登場すればつじつまが合わないのは仕方ないことです。
折りたたみ原付を使って、実質運転代行業を行う事例も、法に照らせば伴走車が存在しないから運転代行業にあたらず、二種免許は必要なしとする判断も同様、既存法の適合だけをみて安全=人命を軽視した判断にならないのでしょうか。

改革や規制緩和の必要性も理解しているつもりですが、何でもいいというのではなく「安全」という原則を見失ってはダメでしょ!
自分がタクシー業界にいるからの保身ではなく、事故に遭った当事者は痛いし、命を落とすことになれば取り返しが付かず、当の本人にすれば「たまったもんじゃ」ありません!

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