NV200 Vanette 生産終了

UDタクシー
ガソリン・LPGバイフューエル NV200 Vanette

2020年発売の日本初のユニバーサルデザインタクシー(UDタクシー)である日産NV200バネットが2021年4月で生産終了されると発表がありました。
Y31セドリック・グロリアに代わる次世代タクシーとして、全てのお客様に使いやすい「みんなのタクシー(通称)」として誕生しましたが、東京の街中でさえ見る機会は少ない現状からしても販売は苦戦、なぜならタクシー乗務員とお客様双方から好まれなかったことがあげられます。

最初は1,600ccのガソリン車でしたが、改良型はガソリン・LPGのバイフューエル車となり、不評であった乗り心地を向上したが、それでも評判は良くありません。
わずかに地方都市では歓迎されているという話も聞きましたが、東京では何しろ乗り場ではスルーされるし、呼び止めようと一度上がった手も近づくと下がってしまうなど、売上の上がりにくい車でした。
1BOXワゴン車の見た目が福祉車両に近く、無線配車でお迎えに行ったら、年配のお客様から「まだ私の乗る車ではない!」とお叱りう受けたことも実話です。

JPN TAXIが発売されてからはますます立ち位置をなくし、当社にある7台のNVもほとんどが車庫に止まったままの状態、役割を終えたかのようです。
運転しやすい車ですし、車いすのまま乗車されるお客様には後ろ乗りのスロープは乗車にかかる時間も短く利点なのですが、やはり一般のお客様に敬遠されるようでは営収に響きますからね。

日産自動車には後ろ乗りUDタクシーとしてセレナが残りますが、JPNタクシーにここまで差を付けられると、いずれ日本からは後ろ乗りのUDタクシーは消えゆく定めのようです。
トヨタにはJPN以外にも海外向けの3列シートミニバンである「シエナ」が後ろ乗りUDタクシーとして存在しますが、アルファードより巨大な車体は日本の道には合わないし、法人タクシーとして導入できる値段でもありません。

ユニバーサルデザイン(UD)というと、全ての方に使いやすいと期待しますが、小さな車体で誰にも都合よい車の実現はとても難しいことで、妥協しながら譲り合いながら歩み寄ることが必要だと考えています。
横乗り無固定シートベルト不要が肯定されて、車いす利用の方にほかの方と同じ安全が提供されない状況が解消されることを願います。