ユニバーサルデザインのJPN-TAXI(ジャパンタクシー)最大の特徴は、車イスユーザーが車イスのまま乗車できることで、外出時に移動手段の選択肢が増えることは歓迎されることです。
但しユニバーサルを誤解されがちなのですが、リフトを使って専用スペースに乗車出来る介護タクシーなどのバリアフリー車両と違って、UDタクシーには車イスのまま乗車しようとすると、使い勝手が悪い部分が多いというのは理解しておく必要があります。
車イスのまま乗車するには車内全てのシートを片づけて乗車スペースを作る必要があるし、荷物スペースではなく同乗者(付き添い)と横並びに乗車することを優先したので、横のドアに組み立て式スロープを設置しなくてはならず、横幅が広い場所がなければ乗降出来ないし設置に時間もかかります。
スロープ設置作業の問題はひとまずとして、上り下りは見た目以上に体力が必要なお手伝いで、健常者でも大変なのに身体障害者のタクシードライバーにとって困難なことは想像に容易く、特に体重のあるお客様の場合は腕力と脚力が勝負となる場面です。
新車代替えでJPN-TAXIの担当となる際は、車イス乗車のお手伝いを練習するのですが、ある身障タクシードライバーが7月19日に練習を済ませ、いよいよJPNデビューを果たしました。
この乗務員さんは義足を巧みに操り、全く障がいを意識させないベテランですが、路面と違ってスロープ上は滑りやすいし、車内で車イスの向きを変えるときもカーペットが抵抗になり難しいのですが、健常者と同じ練習カリキュラムをこなして昨日営業を開始しました。
5年もすれば、東京の法人タクシーの殆どがJPNになるでしょうが、身障ドライバーでも本人が「大丈夫」と言っている以上、特別扱いしないのが会社と二種免協会の対応です。
ある乗務員さんは可能でも、障害の状況によっては苦手であったり、対応不可能なこともあるでしょう。
しかし障害者差別解消法が言うところの合理的配慮にてらして考えると、努力や工夫をして出来ることは対応していくという姿勢は今回の事例にズバリ合致すると感じました。
コメント
左アクセルのジャパンタクシーを作る計画が進行している情報を入手しました。
アクセルを右から左に移設するだけでなく、通常左足で操作するパーキングブレーキを手でも操作できるように改造する模様です。
足で操作するペダルを手で操作しては「力が足りないのでは?」と質問したところ、テコの原理も使わずにしっかりブレーキがかかる装置になるということでした。
なお、社内ではなく外部業者に委託して改造するとのことです。
また、1台目が成功すれば、複数台導入するとの情報もあります。