JPN TAXIの動力はLPG(液化石油ガス)ハイブリッドです。
メインとして電動モータを動かす大きなニッケル水素バッテリーと、電装用の補器バッテリーとして小さな密閉型の鉛バッテリーが載っています。
どちらも大切なバッテリーで、たとえメインバッテリーがフル充電でも、補器バッテリーが上がってしまうと自慢のハイブリッドシステムは起動しなくなってしまいます。
実は、補器バッテリーが上がってしまう事案がかなりの頻度で起こっています。
営業所内に駐車中でも電気を使い続け、いつの間にか上がってしまうのは、ちょうど バッテリー消費の多いスマホアプリを立ち上げっぱなしにした時のようにです。
この厄介なアプリに該当する1つはドライブレコーダーです。
フロントウインド越しにクルマの外を写すカメラと車内用のカメラ、そして音声を記録していますが、自家用車だとキーをひねって(スタートボタンを押して)メインスイッチが入ると録画開始し、オフにすると撮影を止めるのが基本です。
駐車後も数時間延長したり、衝撃など異常な動きを感知すると録画する機種もありますが、基本はキーを抜けば録画も中止です。
ところが365日稼働を続けるはずの当社のタクシーは、駐車中も24時間切れ目なく録画を続け、継続した画像を蓄えています。
これにより、例えばファミレスの駐車場に駐車して食事をしているときでも何か問題がおこれば画像解析ができます。(複数のパスワードロックが設定されているので、誰でも見られるわけではありませんが…)
ところがその代償として、駐車後48時間で合計17Ah程度の電気を消費するということで、45Ahの容量の補器バッテリーにとって大きな割合をしめます。はじめ100%充電されていたとしても、ドラレコ以外ほかにも電気を使っているので60%以上の電気を消費してしまうのです。
一般的に残量が30%~40%程度になると始動困難になるということなので、何かの都合で2日間駐車するとアウトなんです。
お正月を迎えると、タクシーの稼働台数もグッと減り、営業所内に駐車して営業をお休みする車が増えます。
昔のクルマなら、バッテリーのプラス端子を外して置いたのですが、今の電子制御だらけのクルマでそんなことしたら、再稼働させるのが大変です。
どうするんでしょう? お正月に出勤する整備士や運行管理者でバッテリー保護のためにエンジンをかけたりするんですかねぇ?!