不特定多数のお客様にご利用いただくタクシーのコロナ感染リスクについては、新型コロナという言葉を聞くようになった当初から心配されてきました。
早い時期にタクシー乗務員の感染が発覚したことから、タクシー=高感染リスクのイメージが定着した感もあります。
ところが当社乗務員でPCR検査陽性者は一人もでていないんですよね。
車内のアルコール消毒をベースに、エアロゾル感染の防止を徹底すれば、個別輸送のタクシー車内の感染の危険性は低いと言えそうです。
そこで空車中だけでなく実車時も窓を開けて換気に心がけていますが、透明な空気が本当に入れ替わっているのか目で見て確認できないので、その効果は定かではありません。
「本当にこれで良いの?」の疑問に答えるように、理化学研究所のスーパーコンピュータ「富岳」によるJPN TAXIの換気シミュレーション結果が発表され、換気状況が可視化されました。
窓開けによる効果
- 20km/h以下(運転席とリア左の窓を開けていても、ほとんど効果が得られない)
- 40km/h(換気量は25%向上するが効果は相対的に少ない)
- 窓の開け方(開け方に大きくは依存しない)
以前から、車内外に気圧差が生じなければ空気は動かないだろうと疑問を持っていましたが、「やっぱりそうだった」という感想です。
空気(エアロゾル)をかき回すだけでは、貢献できないということですね。
エアコンによる効果
- 風量中(85秒で換気)
- 風量最大(45秒で換気)
ファンを使って強制的に外気を取り込むことで換気効果が高いことが分かります。
風量を「中」以上できれば最大として、窓開けを併用することで最大に効果があります。
ファンの音が大きいと困る行き先コースの確認の時は絞り、お客様に効果を説明して「最大」風量にするのが良いようです。
リスク評価と対策
- タクシー内はエアコンの「外気導入モード」で風量を通常レベル(最大風量の半分)以上とすることで、高い換気能力が発揮されている。(窓を閉めていても約2分で新鮮な空気に入れ替わる)
- 発生する飛沫・エアロゾルそのものを減少(総飛沫数を3割程度まで減らせる)させるためにも、運転者・乗客ともにマスク着用することの感染リスク低減効果は大きい。
皆さん、マスクをしてどんどんタクシーをご利用ください。