同じJPNでも新鮮に映ります

メタリック茶色塗装のJPN TAXI 和の写真
(念のため社名とナンバー消しておきます)

先週のことですが、伊東港(静岡県東伊豆)の駐車場にJPN TAXIを発見!

しかしいつも見慣れたあれとはちょっと違う、きれいな茶色のメタリック塗装の和(なごみ)!
乗務員さんと話してみたかったのですが、残念ながら不在でした。

なかなか良いじゃない (^^♪

全国で8千台突破

JPN TAXIが発売されて、去年の10月で1年が経過したわけですが、販売台数は全国で8千台を突破したということです。
人口もタクシー台数も多い東京がダントツ1位で50%越えの4,600台、2位はクルマ好きなら予測できそうな県(答えはのちほど)で550台ほど、 続いて3位が北海道で450台となっています。

雪の積もる地域でスロープ設置は無理じゃないかとか、屋根代わりになるテールゲートがないと車いすのお客様が濡れるとか、そもそもLPGが入手しにくい地域もあったりと、クリアしなければならない課題は山積のはずですが、それでも魅力ある車なのですね。
続いて神奈川、京都、大阪が200台ほど、千葉、埼玉、静岡、福岡、沖縄も100台以上の実績となっています。

東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年末までに、福祉タクシー・ユニバーサルデザインタクシーを2万8,000台導入の数値目標があるのですが、このペースでいけば楽々達成・・・と思ったら、目標を4万8,000台に上方修正が決まったようで、それもクリアできそうな勢があります。
(もう一度上方修正とかなると、すごいことです)

宮園も4~5台/1か月のペースで代替えが進んでいますが、どうやら今年の4月にマイナーチェンジがあるらしく、現行モデルの納車は一休みするようなので、若干ペースダウンするんですかね。

導入台数第2位の県は、トヨタ自動車のおひざ元、愛知県でした。
勝手な思いですが、トヨタ車ばかりが走っているイメージがあるので、そう考えるともっと多くても良いかとも思えますが・・・。

タクシーはたくさん電気使います

 JPN TAXIの動力はLPG(液化石油ガス)ハイブリッドです。
メインとして電動モータを動かす大きなニッケル水素バッテリーと、電装用の補器バッテリーとして小さな密閉型の鉛バッテリーが載っています。
どちらも大切なバッテリーで、たとえメインバッテリーがフル充電でも、補器バッテリーが上がってしまうと自慢のハイブリッドシステムは起動しなくなってしまいます。

JPN TAXI エンジンルームの写真
エンジンルーム内に補器バッテリーはありません。車両後部のラゲッジルーム内にあります。

実は、補器バッテリーが上がってしまう事案がかなりの頻度で起こっています。
営業所内に駐車中でも電気を使い続け、いつの間にか上がってしまうのは、ちょうど バッテリー消費の多いスマホアプリを立ち上げっぱなしにした時のようにです。

この厄介なアプリに該当する1つはドライブレコーダーです。
フロントウインド越しにクルマの外を写すカメラと車内用のカメラ、そして音声を記録していますが、自家用車だとキーをひねって(スタートボタンを押して)メインスイッチが入ると録画開始し、オフにすると撮影を止めるのが基本です。
駐車後も数時間延長したり、衝撃など異常な動きを感知すると録画する機種もありますが、基本はキーを抜けば録画も中止です。

ところが365日稼働を続けるはずの当社のタクシーは、駐車中も24時間切れ目なく録画を続け、継続した画像を蓄えています。
これにより、例えばファミレスの駐車場に駐車して食事をしているときでも何か問題がおこれば画像解析ができます。(複数のパスワードロックが設定されているので、誰でも見られるわけではありませんが…)

ところがその代償として、駐車後48時間で合計17Ah程度の電気を消費するということで、45Ahの容量の補器バッテリーにとって大きな割合をしめます。はじめ100%充電されていたとしても、ドラレコ以外ほかにも電気を使っているので60%以上の電気を消費してしまうのです。
一般的に残量が30%~40%程度になると始動困難になるということなので、何かの都合で2日間駐車するとアウトなんです。

お正月を迎えると、タクシーの稼働台数もグッと減り、営業所内に駐車して営業をお休みする車が増えます。
昔のクルマなら、バッテリーのプラス端子を外して置いたのですが、今の電子制御だらけのクルマでそんなことしたら、再稼働させるのが大変です。
どうするんでしょう? お正月に出勤する整備士や運行管理者でバッテリー保護のためにエンジンをかけたりするんですかねぇ?!

ジャパタク・フォローアップ研修

ジャパンタクシーの車いす乗車拒否問題。テレビでもネットでも取り上げられ、あえてここではあえて言いませんが、タクシー関係者ならもっともな、その根幹にある課題は置き去りにして問題視されています。
東京オリンピック・パラリンピックで海外から大勢のお客様を迎えるにあたり、車いすユーザーにも世界一の東京のタクシーを快適にご利用いただく目標達成には、この車をで営業するタクシー乗務員の「心のバリアフリー」と「介助技術」に頼るところが多いことは明らかですが、2020年はもう目の前ですから解決を急がなくてはなりません。

スロープ設置の確認をしている写真
ジャパタク・フォローアップ研修

先週12月4日、6日に、ジャパタク・車いす乗車フォローアップ研修が行われたので、参加してきました。
6日は8名の参加者が集まり乗車手順の確認が行われましたが、忘れてしまっていた部分もあり、このような機会があれば継続して参加する必要性を思い知らされました。

今回のメンバーのタクシーなら、乗車地降車地に安全な作業スペースが確保できること、多少時間がかかってもお待ちいただけることの2つの条件をのんでいただければ、車いす乗車を拒否することはないでしょう。

と同時に、先ほど根幹に課題があるとした問題が解決すれば、乗車拒否問題は解決に向け加速するはずなのですがね。
この課題には卵と鶏のような側面があるのですが…。

2019年4月にJPN TAXIスロープ改善

ジャパンタクシーによる車いすユーザー乗車拒否問題はひとまず置いておいて、スロープ設置に時間がかかる問題も各所で話題に上ります。

また、スライドドアの動作に時間がかかり、ドアが閉まりきる前に発進して「怖い」とクレームを受けたり、反対に締まるのを待っていると「早く発進しろ」と怒られたり、こちらも難しい対応に迫られます。

これらへの対応がされるという具体的情報は得ていたものの公表してよいものかわからずいましたが、2018年11月22日の朝日新聞に「トヨタJPNタクシー、車いすに優しく 五輪へカイゼン」と記事があったので、ブログでも取り扱ってみます。

2段階の改良

スロープの問題について、トヨタ自動車さんには単に「スロープ設置に時間がかかる」というのではなく、具体的に「2分割のスロープの1枚目を長くすればNo.2のスロープを準備しないで乗車できる場面が増える」とお願いをしてきましたが、スロープ延長で対応いただけることが決まりました。
設置時には横幅がもっと増えてしまう問題はありますが、割り切りは必要だと考えています。
地域によっては「改善になってない(いや改悪だ)、という意見も出るかもしれませんが、全ての希望を取り入れるのは小さなタクシー車両では不可能だと思っています。

なおスロープの改良については2段階あります。
来年4月から納車されるものは、車両との接続方法もかわるので現行のスロープと互換性がありません。
既に納車済みのジャパンタクシーが約8,000両あり、こちらはいわゆる神奈川トヨタ方式を標準として、2枚のスロープをつなぐ安全ピンの部分を操作しやすく改良したものへと交換され、2019年1月に実施されるということです。(すごい経費となるでしょうから、トヨタさんの本気を感じます)

神奈川トヨタ方式
そして、4月からは長さ約1.1m、2つ折りになったスロープが搭載された車両の納車が始まるのです。
ただし「UDタクシーレベル1」の条件(スロープの角度14°)を満たすために、短い2枚目のスロープがあります。

そのほか、病院など車いすユーザーの乗降が多い場所には設置型のスロープが準備される情報もあり、車いすのまま乗車する環境は少しずつ良くなっています。
乗車拒否の問題を改善するのはタクシー業界と乗務員にあるので、しっかりと対応しなくてはいけませんね。

スライドドアのスピードアップについては、後日取り上げたいと思います。

JPNはコンフォートとくらべ

JPNとコンフォートのサイズ比べのイラスト
不許複製(無断転用は絶対にダメ!)

営業所の若手運行管理者がこんなものを作ってくれました。
新世代タクシーであるJPNタクシーと、これまでのタクシーの標準であるクラウンコンフォートのサイズ比較です。

セダン型からジャパンタクシーに乗り換えると随分と運転感覚が違うもので、ぶつけたりしないようにとの心遣いです。
今時、手書きで切り張りとは味がある!
左ミラーがないのはなぜ?

  • 運転席からフロントまでの長さは「35cm」も短くなっています。前方にイメージを置かないと後輪が残ってしまうのです
  • ノーズの高さは「11cm」高くなって前によりにくいかも?
  • 地上高は「3cm」低くなっています。
  • ホイルベースは「7cm」長いです。最小回転半径は「30cm」ほど大回りです。
  • 全長は「19cm」短くなったのにハンドルはキレない!? コンパクトサイズになったので小回りが効くとは限らないのです!
  • 車高は「175cm」、行燈を入れると「2m」 マンション駐車場などは1.9mなんてあるので注意です。
  • ハイブリッドのためNニュートラルだと充電されないので、従者時はPパーキングで!

小さなスイッチにも要望が生まれます

日本だけのおもてなしであるタクシーの自動ドア、これまでのセダンタイプではレバーによる手動式が主流でした。
これは、上に引き上げると開き下げると閉じる、長さがあるレバーのおかげで軽い力で操作できる良くできたものでした。

スライドドアスイッチの写真
JPN TAXI スライドドアスイッチ

今後導入されるジャパンタクシーについては、電動式のスライドドアが標準装備です。
ドアトリムにあるスイッチを、指先で押し下げ続けると開き、引き上げる続けると閉まります。
スイッチ自体が重いことはありませんが、この「続ける」という操作が、手指の力が弱い人にとって負担となります。
下げる時は腕の重さで何とかなるのですが、特に引き上げ続けることが難しいのです。

シーソー式のパワーウインドゥスイッチの写真
シーソー式つまみスイッチ

パワーウインドゥが出始めてからしばらくの間、このスイッチはシーソー式のつまみが採用されていたように記憶しています。
けれども、この構造には誤操作を生じてしまう危険が潜み、腕のヒジなどが触れてしまった時に意図せず閉まるという問題から最悪挟み込み事故となるのです。
現在のスイッチが、閉める時に引き上げる仕様になっているのは、この事故を防ぐためだと考えられます。
スイッチから指を放せば止まるように、AUTO機能が無いのもドア挟み込みという重大事故を防ぐには仕方のないことでしょう。
しかし、障害によって操作が困難な立場とすれば、何とかならないものかと期待します。
シーソー式なら、腕の重さを使ってどちらにも押し続けることができるのです。

自家用車であれば、つまみの代用品を接着剤やビスで付ければ済むのですが、タクシーの場合はいろいろな人が乗務するので、誰が使ってもトラブルとならない改造が求められます。
会社の整備工場でも検討して頂いているので、そのうちに解決策が見つかるかもしれません。

勉強会を開催しました

10月13日(土曜日)に、宮園身障二種免協会主催の勉強会が開催されましました。
テーマは、「JPN TAXIの車イス乗車について」、身体に障害のあるドライバーにとって、一番難しい問題のひとつです。

スロープ乗車の実技で説明を真剣に聞き入るメンバーの写真
乗降時の注意点に聞き入るメンバー

私たち身障タクシードライバーが、車イスユーザーをスロープを押し上げて乗車する介助は、できる人もいる半面、 身体状況により不可能な場合は他のタクシーを手配するしかありません。
しかし、そのような場合でも乗車介助の方法を全く知らないのでは、自分たちの障害を理由に乗車拒否をしていることにもなりかねないと思うのです。
それは私達の本意ではなく、今回の勉強会は車いす乗車の申込があったことを想定して、実技(手順)を学ぶことが今回の勉強会の目的です。

「福祉のみやぞの」とも呼ばれる私達の会社には、普段から車いす乗車の実技指導をしているエキスパートが2名います。
この二人と、ケア輸送士の資格を持つY氏も加わり、講習は実践さながらに進められます。
できるところは自分たちも実際にやりながら、あっという間に予定の時間を超過してしまう、熱のこもった実技勉強会でした。

自分が体験するのも大事

驚いたことに、普段は歩行に杖が欠かせないのに、一人で全部をこなしてしまう身障ドライバーも現れ、乗降場所の状況やお客様の体重など、条件が揃えば本番でも乗車介助が出来そうに思えます。
スロープの設置さえできれば、電動車いすの方は自分で上ることができるので、より可能性は広がりそうなことも分かりました。

その後は、昼食を摂りながらの座談会です。
ここでは、ジャパンタクシーの話題だけでなく、営業のことなど何でも自由に意見を交換します。
未経験で入社された新メンバーから、地理の覚え方について「1日の走行経路と時間が記録される無料のスマホアプリ(Google Maps タイムライン)」があり、これを復習に役立てていると報告がありました。
昔は、運転日報のコピーと地図とをニラメッコしながら復習したものですが、新しい物を便利に使って行く大切さを改めて確認できました。

座談会の時間もあっという間に過ぎ、来月の忘年会の日程が発表されて終会です。
そう、タクシードライバーにとって12月は稼ぎ時! ちょっと早めの忘年会は毎年11月と決まっているのです。

乗降にかかる時間や場所に課題はありますが…

バンクーバーのUDタクシーに乗車している動画です。
他のウェブサイトへの埋め込み再生を所有者さんが停止しているので、本家YouTubeサイトでご視聴下さい。
https://youtu.be/YuiGEnXBNA8

ニューヨークのイエローキャブと一緒の黄色い車体、ステアリングハンドルにトヨタマークが見えていますが、日本では見かけないシエナという車種で、かなり大きなサイズの日本の感覚ではミニとは呼びにくいミニバンです。
現地では30%が車イス対応可能なミニバンタイプで、ホテルから呼べば5分、自宅からでも15分で配車され、後部のスロープから簡単に乗車して、これぞUDタクシーという感じでしょうか。
ちなみに私服姿にポケットに手を突っ込んで降りてくるドライバーも、いかにも西海岸って感じで素敵です。

対する日本のJPN-TAXIがどうかというと、車イスで乗車しようとすると停車場所が広くないとダメだし、操作が複雑で時間もかかるし、ドライバーの不満の高まりだけでなく、実際に車イスのまま乗車するお客様も殆どいらっしゃいません。

でも、JPN-TAXIにも優れた点があります。

カナダのUDタクシーの動画を見て違和感を覚えたのが「車イスユーザーが乗っている位置」です。
同行する男性が会話のために身体をねじって後ろを振り向いている場面がありますが、車イスユーザーの疎外感ったらありません。
四方を壁に囲まれスペアタイヤの横にポツンと押し込められて、荷物扱いを受けている感じがしてしまいます。

対するJPN-TAXIでは車イスユーザーと付き添いが横並びで乗車します。
たぶんトヨタ自動車がやりたかったのは、乗車に手間と時間がかかっても「客室内に乗ってもらいたかった」のではないかと思うし、開発者の粥川チーフエンジニアからもそのような発言があったように記憶しています。

つまり「乗車するとき」と「進行中」のどちら優先するか?! ってことなのでしょうが、年齢・性別・障がいの有無などに関わりなく全ての方に均等に…がユニバーサルの基本となる考え方ですから、理想的なのはJPN-TAXIだと思います。
でも、乗車するときの問題を解決できないと理想だけで終わっちゃいますけどね。

UDマークにも考え方の違いが現れている?

左がニューヨークのUDマークですが「車イスで乗れますよ!」とすぐわかります。
対する右側、日本のは車イスにも見えるしベビーカーにも見える曖昧なマークで、「様々な人に対応できるUDタクシーですよ!」ってことなのでしょうか。
そこまで考えてデザインしたとは思えませんが…

JPN-TAXIを福祉タクシーと考えると、とてつもなく使いにくい悪い評価になってしまいますが、ユニバーサルデザインって車イス乗車も念頭に置きながら、いろいろな方への対応も考えて設計者ければならなず、日本サイズの小さなタクシーで実現するとても難しいことをやっているんですね。