宮園身障二種免協会

東京で身体障害者の個人タクシー第1号誕生

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東京で身体障害者の個人タクシー第1号誕生

当社の渡辺光男さん

<社報みやぞの NO.178 1981/11/15発行 より>

10月28日のNHK総合テレビ6時40分のニュースと、29日の朝刊各紙の社会面をご覧になった方はご存じだろうが、当社に勤務している身体障害者ドライバーの中から、個人タクシー運転者が誕生した。

両足と左腕がなく右手の指もほとんどないという重度障害の渡辺光男さんである。地方都市には現在幾人かの身障者の個人タクシーはあるが重度障害者の個人タクシーは、全国でも初めてであり、東京では第1号ということになる。

28日の午後、本郷通営業所でNHKをはじめ運輸省交通記者クラブの全員が集まって渡辺さんとの共同記者会見が行われた

周知のように昭和50年2月、警視庁は二種免許取得の基準を緩和して、条件さえ合えば身体障害者にも交付することになり、同年3月それを取得した白井仁志君が当社に入社して、身障タクシー乗務員第1号としてスタート、その後二種免許を取得した身障乗務員が入社、現在20名がタクシー運転者として勤務している。

これらの人々はいずれも入社時に、将来の生活設計として個人営業を希望していた。当社としてはその人々の希望を尊重して、その実現のためにいろいろ指導援助をしてきたが、いまその先鞭をきって渡辺光男さんが門出をしたのである。

個人タクシーの免許申請の資格は35才~65才で、10年以上職業としての運転経験があり、過去3年間無事故、無違反。

40才未満のものは5年以上タクシー運転者としての経験が必要となっている。当社に勤務している身障者の諸君はすでにいずれも5年以上の経験者であり、一応申請資格をもっている。3年間無事故無違反であれば今後渡辺さんの後に続くものも出てくることが予想される。

当社の身障者の諸君は、「身障者二種免許交通安全協会」というグループを自主的に結成して、交通事故によって新たな身体障害者は発生することを防ぎ、タクシー営業についての日々研究工夫を凝らしている。

真面目で仕事熱心なこの人びとが個人営業に進出することは、タクシー業界にとってもプラスであり、二種免許所持の身障乗務員の希望にも明るい灯がともる。

共同記者会見の席上渡辺さんは、「後に続く人たちのためにも、パイオニアとして頑張る」といっているが、当社の身障乗務員が個人タクシーとして巣立ってゆくことは、この人たちの最終目標である自立として、会社としても祝福して送り出してあげたい。

現在当社には二種免許所持の身障者の入社希望者が待機しているが、個人営業への進出していった人びとの欠員は、その人びとを迎えいれることによって充足される。なお目下陸運局で検討中の身体障害者用特殊仕様車の増社が認可になれば、もっと多くの身障者諸君に門戸を開放することも可能になる。

今年は国際障害者年として全国的に多彩な行事も催され、一般の心身障害者に対する関心を喚起しているが、別項のように9月の身体障害者雇用促進月間には、全国心身障害者雇用促進大会の一連の行事として一日、労働省玄関前から身障者を含むキャラバン隊が出発都内をパレードしたが、当社からはハンディキャブ号が参加した。

また9日には日比谷公会堂において雇用促進の優良事業場の表彰が行われ、宮園自動車が労働大臣から表彰をうけた。

このようにことしの国際障害者年を契機に、働く意思を持っている身体障害者の諸君の周囲はうごいている。渡辺光男さんが独立したあとの欠員は、前述したように入社を待機している人の中からすでに選ばれているが、今後も個人の認可を受けた方々の後にも、また新しい身障二種免の乗務員が入社してくることになっている。先輩は今後続いてくる人の良き導き手となって、先達の道を歩いて行かれることを期待している。





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